【更新停止中】家政夫くんの攻略法
「いっただきま〜っす!」
両手をパンッと合わせて口にする。
右京くんは少し頰を緩ませつつも、洗い物に徹している。
銀色に光るスプーンを持ってクリームシチューをすくう。
...あれ、すくえない。
慣れない左手のせいで鶏肉が逃げる。
かろうじて捕まえた人参も、口の中に入れるのに一苦労。
利き手じゃないってこんなに不便なんだ。
「ったく、何やってんだよ」
諦めてフランスパンを口にしていると、呆れ口調の右京くんが隣に立った。
わたしが座った姿勢なので、彼の目線の位置は自然と高くなる。
「だって慣れてないんだもんっ!」
見上げながら、口をぷーっと膨らませる。
すると彼はふう、と呆れたように息を吐く。
ガタッと隣の椅子を引き、座るやいなやわたしの手を包み込むように握る。