【更新停止中】家政夫くんの攻略法



とりあえず近くの公園へと誘導し、二人でベンチに座る。



「昨夜君が帰ってから、小春の怒りが収まらなくて...。

”わたしは絶対にアメリカなんて行かないから!”の一点張り」



アメリカか。


親父さんの口から言われると、本当のことなんだって実感する。



仕事だって終わって、学校でも会えないんだ。



「俺は、小さい頃から小春をひとりぼっちにさせてたんだ」



過去を思い出すように、ぽつりぽつりと小さく話す。



「20代後半から30代にかけては仕事が忙しくなって軌道にのる時期でさ。

育児休暇だって簡単に取れるもんじゃない。

奈津子、小春の母さんだって何年も仕事休めないだろ?」



話を聞きながら、小春を抱きしめたあの日のことを思い出す。


過去。

寂しい思いをしたあの時を知るチャンス。


< 169 / 257 >

この作品をシェア

pagetop