【更新停止中】家政夫くんの攻略法
オムライスを一口分すくい口に運ぶ。
ふわふわの卵、そしてじわーっと口の中に広がるバターの香り。
「おいしい...」
小さく呟き、またスプーンを口に運ぶ。
坂口くんはわたしの前の椅子に腰かける。
ふと視線に気づき見上げると、彼は満足そうに頬杖をついていた。
「うまいだろ?」
頬杖をついて微笑む彼に、胸がキュンと小さく鳴る。
やだ、汚い食べ方してないよね。
すぐにお米が散らかっていないかお皿を確認する。
普段、食事しているところを男の人に見られたことがない。
しかもこんなに近くで。
身近なお父さんでさえ、一緒に食事する機会はほとんどなかった。
ましてや、今目の前にいるのはあの坂口 右京だ。
...あ。ホクロ。
真正面から見て初めて、右目の目頭のあたりにホクロがあることに気づいた。