【更新停止中】家政夫くんの攻略法



「材料費、交通費その他諸々は後で請求させていただきます」



マニュアル通りの淡々とした口調。



「今回はお試しということで、次回は別の者を派遣させますので」



「...さか、ぐちくん?」



状況が把握できず言葉に迷う。



「では、失礼します」



さっきまでの同級生感は全くない他人行儀さ。



彼はリュックを持ち、学ランの上衣を掴むと玄関へと向かった。


くるりと振り向く彼に、心臓がぎゅっと苦しくなる。



「鍵だけは閉めろよ」



引き止めたい。

でも、引き止める言葉が浮かばない。



彼はそれだけ言うと、バタンと音を立ててドアを閉めた。



一気に家の中が静かになる。


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