【更新停止中】家政夫くんの攻略法
振り向いたからこそ、田口さんの告白の相手がわかった。
キリッとした形の良い眉に、筋の通った鼻。
一発で整った顔立ちだとわかる。
くしゃっとした無造作な髪は太陽でキラキラ光ってる。
そして気だるそうな瞳は手元へ向けられている。
彼は田口さんが差し出した手紙を受け取るなり、ふっと手を離した。
手紙は力なく、ひらひらと床に落ちていく。
田口さんも、お友達の2人の女子も、あまりのことに動けなくなる。
「こんなことされても迷惑なんだけど」
突き放すようにそれだけ言うと、彼は田口さんに冷たい視線を向ける。
田口さんは落ちた手紙を見つめ、瞳からは涙が溢れ出る。
「ひっどい! さいてー!」
「大丈夫? マリコ?」
2人の女子がすぐさま田口さんの傍らに駆けつける。
わたしは唖然として、動くことができなかった。