【更新停止中】家政夫くんの攻略法



「ん? 坂口くん?」



じっと見つめると、彼はゆっくりと口を開いた。




「何かあったのか」




彼は全く興味なさそうにしてるけど、ちゃんとわたしを見てくれている。



落ち込んでいるわけを聞いてくれる人。



そんな存在がいるだけで、気持ちが軽くなる。




「ありがとう。坂口くん」



ニコッと微笑み、また一歩彼に近づく。


途端に彼の頬が赤く染まる。



「ばかっ。何もねえなら落ち込むな!」



「えぇっ、ちょっと待ってよ〜」



わたしの耳にも届くほど、彼は大きく舌打ちする。



そのままズカズカ歩くので、必死に彼を追いかける。



照れちゃったのかな。


一度もこっちを振り返ってくれない。


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