『仰せのままに、お嬢様』《完》
途中、何度か大学の
顔見知りの姿を見かける。


楓さんはコートを着てたから
服装はそれほど目立って
ないものの、

あたしが年上の、しかも
こんなかっこいい人と
歩いてるってだけで、
みんな充分驚いた顔で
こっちを見てた。


――きっと次会ったら、
しつこく質問されそうだな。


そう思ったけど。


不思議とあたしは、あまり
それを嫌だな、とは感じて
いなかった。


変なの。それが嫌で、大学の
側を避けてもらってたはず
なのに。


あたし――
どうしたのかな――…?





     ☆☆☆☆☆


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