『仰せのままに、お嬢様』《完》
なんて言って。目の前の
三人は、そこだけごく
平和な空気で、笑ってる。


だけどあたしは、とても
笑える状態じゃなかった。

それどころか、泣きたいくらい。


何が、“積極的に”よ。
“うまくいくと思う”よ。


あたしのことなのに……
どうして、あたしの知らない
ところで、勝手にそんな
大切なことを決めちゃうの?


(嫌……嫌だよ、そんなの
――!)



悔しくて、膝の上でギュッと
両手を握り締めた。

その手を――温かな掌が、
そっと、包んでくれる。


「………楓………?」


少しだけ体を屈めて手を
伸ばしてくれてる楓は、
目が合うと短く囁いた。


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