『仰せのままに、お嬢様』《完》
(なんか、損した気分だなぁ)


そんなことを考えながら、
仕方なくあたしはモソリと
起き上がる。


冷え込む朝だけど、あたしの
部屋はあったかい。

我が家は全室イギリス製の
壁に備え付けのヒーターが
ついてて、朝の5時になったら
勝手に空調が入る設定だから。


とはいえ、いつの季節でも
何歳になっても、布団から
出る瞬間は後ろ髪ひかれるもの。


あたしは『えいっ』と掛け声を
あげてベッドから降りると、
窓辺に歩み寄った。

ひいてある真っ白なカーテンを、
両手で一気に開ける。


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