『仰せのままに、お嬢様』《完》
「わ…………!」


窓の外の景色を見て、
思わず声が漏れた。


だって窓の外に広がる
広大な庭は、カーテンよりも
さらに白い――目の痛く
なるような、雪景色。

通いの庭師、幹生(ミキオ)君が
綺麗に手入れしてくれてる
生け垣も植え込みも、全部が
こんもりと真綿のような
傘を被ってた。

まあ、もともと今は冬で
枝だけになっちゃってたから、
こっちの方がかわいくて
いい気もするけど。


「うわぁ、こんなに
降ったのは今年初だ!」


そういえば天気予報で雪に
なるだろうって言ってたっけ。

でもまさかここまで降るとは
思ってなかったから、
何だか一気にテンション
あがっちゃった。


_
< 3 / 364 >

この作品をシェア

pagetop