『仰せのままに、お嬢様』《完》
「何かあったに決まって
るんだよ! 事故とか、
事件とか……!」


事件、と口にして、気に
なっていたことが胸の中で
さらに大きくなった。


……もう、黙ってられない。

楓は言わない方がいいって
言ってたけど、もしかしたら
それが原因かと思うと、
隠しておく方がダメな気がする。


あたしはパパとママに、
あたし達に遼人さんを疑う
気持ちがあったこと、

そしてそれに対し、楓が
『調査する』と言っていた
ことを話した。


全部聞き終えると、パパは
目を真ん丸に見開いて、


「お前を付け狙っていたのが、
遼人君の差し金だって?

そんなまさか――…」


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