『仰せのままに、お嬢様』《完》
「かかかか、楓っ!?」


おでこに柔らかな唇の感触を
感じながら、爆発するあたし。

だけど楓は涼しい声で、


「誓いの印でございます」


「ち、誓いって……大ゲサ……」


「大袈裟ではございません。

リリカ様。私は今、心から
幸せを感じております。
ですからどうかもうしばらく
このままで」


「う……そ、それは
いいけどぉ……」


顔から火が出そうなだけで、
嫌じゃないから。

それに楓の腕と広い胸は、
何だかすごく安心する……。


「でも、誰かにこんなとこ
見られたら大変だよ……?」


ここは人様のお屋敷。


それに――そうだ! 
30分したら、幹生君が
戻ってくるんじゃなかったっけ!?


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