『仰せのままに、お嬢様』《完》
『とはいえ、マリーノ一家は
決して卑劣であくどい一家と
いうわけではございません。

日本のヤクザと同じです。
過激な一家もありますが、
古くから国家に根付いた、
財政や社会とは切り離せない
存在でございますので』


説明の最後に、楓はクスッと
笑って付け加えた。


『私に睡眠薬を使用された
方も、厳しくお叱りを受けて
いらっしゃるでしょう』って。


(ま、まぁ拳銃で脅され
なかっただけマシなのかなぁ)


最後には本当にたいした
距離でもないのに車で
送ってくれた。

マリーノさん本人は礼儀を
わきまえたすごく紳士的な
人だったから、もう心配は
ないと思う。


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