狼様の愛のカタチ理論






「はぁっ…これは」



相当走ってきたんだろう、左汰にしては珍しく息をあらげながら呼吸をしてる




「おかしいと思いました」


「ぇ…?」


「森に入るなり、トラと遭遇しまして、まるで時間稼ぎをするように私に襲って来ました」


「!?」


え、左汰も?言われてみれば、右汰ほどではないが身体中擦り傷だらけだ



「それで、突然いなくなり、戻ろうとしたら右汰と左汰様の血の匂いがしまして…慌てて来てみれば…」



私の手をそっと、話して左汰が右汰に近寄る


「……っ」


「右汰…なぜこんなに」


「っ」


痛々しいほどの右汰の姿に左汰は顔をしかめながら、背中に右汰を背負う



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