狼様の愛のカタチ理論
「…左汰っ」
「大丈夫です…沙優様」
心配で不安でたまらない私の顔をみて左汰は優しく微笑む
「詳しい話しはまた宮殿で。私はこれから右汰を早く連れて帰り手当てをします。沙優様はすぐに使いのものが来ますので、その者とお帰りください」
「…………っ」
「大丈夫です。そんな顔をなさらないで下さい」
自分が今、どんな顔をしてるかなんてわからない
涙は出ていないけど、きって酷い顔をしていたのはわかる
「宮殿につきましたら、右汰の様子を伝えに行きますので、私に任せてください」
そう真剣な目で言う左汰。左汰も右汰が心配なんだって、目をみればわかる
だから、私も一緒なんてわがままは言えなくて…
「う…んっ」
左汰に向かって頷くと、彼は再び微笑みすぐに颯爽と草原を下って行ってしまった―…
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