狼様の愛のカタチ理論
扇李と双子
――――――………
「……………」
それから、私は迎えに来てくれた使いと宮殿までもどり
その脚ですぐに右汰の部屋の前まで行くと左汰がドアの前で私を待っていたかのように立っていた
「…左汰」
「沙優様…」
走って来たせいで、乱れる息を必死に整えながら左汰をみると
その目が、細くそほめられる
「右汰は、右汰は大丈夫なの?」
「それが…」
「それが?」
チラりとドアを見て、再び視線が合う
「傷が思ったより、深くて…」
「…っ」
「一応、応急処置は終わったのですが、呼吸も小さくて…当分の間、目を開けることはないと思います」
うそ……
「命に別状はありませんが…目を開ける保障がないのが現実です」
切なそうに囁かれる台詞に私は愕然としてしまう
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