狼様の愛のカタチ理論
第5章
涙と雨
――――……
その日を境に、私は毎日のように夜を扇李と過ごしていった
なにか、特別なことをするわけじゃない
ただ本当に、夜になれば扇李が自然と迎えに来てくれて、そのままベッドで…朝まで眠る
そんな毎日が数日続いていたある日
「今日は…天気悪いね」
昼食を食べ終わり椅子に座りながら、私は空を眺めていた
「もうじき雨が降りそうですね」
「…ぅん」
左汰の言う通り、天界の空は黒く今にも雨が降りそうだ
天界に来てから、こんなに空が黒いのは初めてで私は空から目をはなせない
てか、雨が降るなんて事事態が初めてで、いつふるんだろう…そんなワクワクした気持ち
「おい、雨が降ると気温が一気に下がるんだ、なんか上に羽織っておけよ」
右汰はそう言うと、クローゼットから灰色で少し大きめのカーディガンを取り出し
私の背中にそれを掛けて彼もまた私の隣に座り空を見る
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