狼様の愛のカタチ理論




「ありがとう」

「別に」

「もし、寒いようでしたら暖かいものでも出しますが」

「あ、ぅうん。大丈夫だよ」


手を振りながら言うと、右汰とは反対側に立ち椅子を引っ張って私の隣に置くと左汰が脚を組みながら座る


だけど…

「天界にも雨があるなんてびっくり、自然現象があるなんて」


「いえ。沙優様、天界の雨は自然現象ではないんです」


「えっ?!」


左汰の言葉に私は驚きながら左汰をみた

自然現象じゃない?人間界と違うの?


「天界の天気は空界の風神様と雷神様が操り降らせるものなんです」

「風神様?雷神様?」


それって、よく聞く名前だ。絵とか像とかを昔授業でみた覚えがある


「じゃあ、その風神様と雷神様の気分で雨を降らせるの?」


「いえ、そうでなくて天界には基本的に雨は降りません。ですが、雨が降らなければ我々の住む地の緑は消えてしまいます。そうならないためにも、王である扇李が自ら空界にいる風神様と雷神様に雨をふるように頼みます」


「風神雷神は気分屋だから、いつ雨が降るなんてわからねぇんだ、だからたまたま沙優が来て初めて雨を降らすって感じだな」




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