狼様の愛のカタチ理論







「大丈夫ですよ。沙優様?私が最後まで傍にいますから」


行きましょう、と言う台詞につい無意識に戸惑う私にサイさんはそんなことを言う


「扇李に…きちんと言われてますので、安心してください」


「………」


きちんとか…私をきちんと置いてこい!そう言われたんだろう


サイさんは私を気遣ってくれたんだろうけど、その言葉は痛いほど響いてしまい…苦笑いを返せばサイさんは私の手を握り優しく口をひらく


「目を閉じて下さい、人間界に行きます…ついたら声を掛けますのでそれまでは目を開けないで下さい」


「………はい」



そう言われ、私は静かに頷く



本当に、私は人間界に帰ってしまうんだ…扇李に捨てられて


いや、捨てられてなんて言葉は何か違うのかもしれないけど


もう扇李に会えないなら、捨てられたと同じだ


どうせ、拒否してもこうなるならギクシャクしたままじゃなくて


いちんと話せば良かったって、今更後悔してしまう


だけど、もう扇李とはあえない。だから後悔なんて遅いんだ



そんな事を考えて、私は目をゆっくりとつぶった―…



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