狼様の愛のカタチ理論

数十年目の再開




―――――



目をつぶって数秒が経過した頃


「沙優様、着きましたよ」


「…」


サイさんの声でゆっくりと目をあけると…








「………あ」


目の前には、数十日前と全く違う景色が広がっていた


祠の周りに柵が囲んであるのは、かわらない。だけど、全く違う景色


それは、木々に葉っぱはなく草も花も咲いてない。その代わりに、木々や地面に降り積もる白い雪


上を見上げれば、パラパラと雪が私の身体に落ちて身体に触れれば一瞬で溶けてしまった



「今は…冬なんですね」

「はい、今年は大雪みたいです」


私の質問に答えると、サイさんは私の首にマフラーを巻きそっと真っ赤な傘を差し出しそれを受けとる



大雪か…昔、雪が降った日は雪かきや皆と雪だるまやかまくらを作って遊んだな…


嫌だ嫌だって思ってたけど、久しぶりに人間界の空気に私の心はどこか安心している



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