狼様の愛のカタチ理論





「…っ!」


突然のことで思わずびくつくがサイさんは気にする様子もなくニコリと弥生おばさんに笑いかける


「ごめんなさい、彼女は沙優ではありません…沙優さんは彼女の母親なんです」


「え?」


あり得ないようなサイさんの嘘に弥生おばさんはビックリと目を見開く


「そ、そうなの?あなた…沙優ちゃんの子供なの?」


「…あ」


どうしよう…真剣に聞いてくる弥生おばさんに良心が痛む。だけど…もし否定したら、サイさんがついた嘘が無駄になってしまう…だから…


「はい…そうなんです」

弥生おばさんの手をそっと離しながら言うと、弥生おばさんの顔がだんだんと沈んでいく


「そうよ、ね…よく考えたら沙優ちゃんが昔の姿のままいるわけないわ…ごめんなさい」

「いえ…」


「でも、母親だったなんてびっくりだわ…元気にしてる?」


「…はぃ…っ」

「そう、良かったわ」


胸を撫でおろし、弥生さんはニコリと微笑む



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