放課後は、秘密の時間…
拓真が、あかりちゃんを好きだってこと。

オレが気付き始めたのは、オレらが味イチっていう食堂にメシを食いに言った時だった。


運が良いのか、悪いのか。

あかりちゃんと、その彼氏にばったり会っちまったんだ。


あん時は、本当びびった。


拓真はずーっとピリピリしてるし。

あかりちゃんはあかりちゃんで、そわそわしてて。


不機嫌オーラがMAXに達した拓真を見た時、一時はどうなることかと思ったけど。



「拓真、メシ食わねぇの?」

「……あぁ、うん」


あかりちゃんが彼氏と味イチを出た後の拓真は、ずっとこんな感じだった。


何を聞いても話しても、ああ、の一言。

頭ん中は、あかりちゃんのことでいっぱいなんだろうな。


――多分、嫉妬で。


頭もいいし、運動もできるし、オマケに顔だってカッコイイ。

そんなコイツが、何かに対して嫉妬するところを見るのは、初めてだ。


いつも余裕で、どんなことでも、ほいほいやってのける拓真。

でも、あかりちゃんのことに関しては、上手くいってないみたいだった。


まぁ、拓真にとっちゃ、初めての恋だしな。


だからオレは、あかりちゃんとのこと、応援してやろうって思ったんだ。

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