放課後は、秘密の時間…
そう決めてからは、結構協力してたつもり。


学食であかりちゃんと拓真を、二人きりにさせてやったりとか。


「悪い、昼休み、メシ一緒に食えねーわ」


拓真に電話ごしでそう言われた時だって、オレは何も聞かずに「了解」って頷いた。

美術室で食ってんの、知ってたから。



あかりちゃんのことを話す拓真は、すげーイキイキしてた。

あぁ、恋してんだコイツ、なんて思うくらいにさ。


とは言っても、アイツはほとんど態度に出さないからなぁ。

多分、付き合いの長いオレにしか分かんないような変化だろうけど。



拓真が、どんどんあかりちゃんにはまってくのは、見てて分かってた。


ただ一つ、予想外だったのは。

あかりちゃんも、拓真を特別な目で見てたこと。


親友の初恋だし、叶えばいいなーとは思ってたけどさ。


――まさか、マジに本当に叶うなんて。


だけど、あかりちゃんには彼氏がいるし……

それに、二股とかできるような、軽いタイプじゃないことも分かってた。


だから、二人がうまくいくためには、色々問題があるだろうなーって、オレは思ってたんだ。

なんだろ、嫌な予感がするっていうか。


悲しくも、それは的中したんだけど、な。

< 266 / 344 >

この作品をシェア

pagetop