放課後は、秘密の時間…
『どうせあかりのことだから、頑張りすぎてんだろ?息抜きにさ、一時間程度でもいいから、明日会わねぇ?』


電話中の大也のそんな一言をきっかけに、あたし達のデートはすぐに決まった。

そのあとに、


『つーか、俺……あかりに会いてぇし』


なんて、ちょっと照れた声で小さく付け足した大也をカワイイって思ったのは……

ココだけの秘密、ね。



「――でさ、あかりの方はどうなんだよ?上手くやってんのか?」

「え、あたし?」

「だから、実習どう?何か困ったこととかないか?」

「大也……」

「うん?何でも聞くよ」


ほんとに優しいんだから。


自分だって大変なはずなのに……

あたしのこと、こんなに気にかけて。


「ううん、何にもないよ。先生もいい人ばっかりだし、生徒とだって仲良くできてる方だと思うし」


市川君を抜かしては、だけど。


彼のことを考えると、同時に、あの倉庫での出来事も思い出してしまう。


あたし、大也のこと裏切ったんだよね……

自分から、市川君にキスなんかして。


「あかり、どうした?」


こんなに、こんなに優しい大也のこと――……

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