放課後は、秘密の時間…
「マジで何か悩みでもあるのか?遠慮しないで言えよな。グチでも何でも付き合ってやるから」


心からの言葉に、胸がぎゅうっとなる。


「……ありがと、大也」

「礼なんかいいって」


ねぇ、大也……

『ありがと』の一言じゃ足りないくらい、感謝してるよ。


大也がいてくれるから、あたしは頑張れるんだ。

辛くても苦しくても、一人じゃないって思えるから、今までだってやってこれたんだもん。


今日だって……

すごく忙しいのに、きっとあたしのこと心配して、会おうって言ってくれたんだよね?


でも、その気持ちだけで十分すぎるくらいだから。


「本当に大丈夫。ダメになりそうなときはちゃんと言うから、そのときは助けてね?」

「当たり前だろ」


すぐにそう答えてくれたことが、すごく嬉しくって。

ほっぺにちゅっと軽いキスをすると、大也がちょっと驚いてから、照れ気味に笑った。


うん、元気になってきた!

こういうとき、あたしって単純って思うけど。


でも、せっかく大也と一緒にいるのに、いつまでもウジウジした気分でいたくないし。


「あかり……」


優しい腕に抱きしめられると、胸がふんわりと温かくなってくる。

心から安心できる、大切な居場所。

< 49 / 344 >

この作品をシェア

pagetop