last.virgin
男の子二人は坂口さんの義兄さんから飛び降りると、私の両脇ピタリと張り付いてきた。
「ねぇ!ニンジャのおねえさん。名前はなんて言うの?」
「ノブ!名前はをきくときには、自分の名前からおしえないと!それが武士のれいぎだよ!」
「あっ、そうだね!あのね!ボク信長!」
「ボクは政宗だよ!」
どうやら私の左側に居るのが信長くんで右が政宗くん。
私は床から恐る恐る顔を上げた。
寝転がったままだった義兄さんは、田村さんに手を引かれて起き上がる所で、私は再びゴチンと床におでこをぶつけて。
「本っ当にすみませんでしたっっ!」
「……いやー、参った…、ボク一応カラテやってるんだけど、君、強いね?」
「ダディ!カラテよりニンジャの方が強いんだよ!」
「だからくのいちだってば!ノブ」
「何?一体何があったんだ?」
坂口さんがそう言うと田村さんは。
「まあ……、取り合えず、部屋に戻らないか?」
「あ。うん。そうだな。遙?部屋に戻ろうか?」
「おねえさんハルカっていうの?」
「キュートな名前だね!」
今だ土下座の体制の私の両脇で、政宗くんと信長くんは、頭を下げたままの私の顔を覗き込もうと、私と同じような格好になって私に話しかける。
私は自分のしでかしてしまった事に対して、完全に冷静さを失ってしまい、ガンガン床におでこをぶつけてひたすら謝った。
「ストップ。遙ちゃん」
前にしゃがみこんで私の頭を両手で挟んで、その動きを止めたのは田村さん。
「あーあ…、おでこ擦りむいてるじゃん。部屋に戻ろうか?」
田村さんは私の頭を優しく撫でてくれて。
「たっ…、田村しゃんっ…わっ、わたひ…とんでもない事をっ…うっ…うっ…」
目の前に映る田村さんの姿がグニャリと歪んだ。