last.virgin



昨夜ご飯を沢山炊いたもんだから、まだご飯は随分と残っていて、ツナと明太子と梅干しの三種類のおにぎりを作った。



坂口さんと田村さんと私の分のお弁当と、エディさん親子の昼食用。



顔を洗ってさっぱりした坂口さんがリビングに戻ってくると。


「おにぎり、また作ってくれたんだ?」


「はい。ご飯炊きすぎちゃって…お弁当にしようかと思って、坂口さんと田村さんの分もありますよ?」


「俺達の分も?」


「はい。あ…、もしかしてご迷惑でしたか?」


「いや、嬉しいよ、昨夜のおにぎりスゲー旨かった。お礼に俺がコーヒーを入れてあげよう」


チャラけた口調で坂口さんはそう言うと、豆を取り出し、本格的なコーヒーメーカーで片手で器用にコーヒーを入れ始めた。



ほろ苦いコーヒーの香りがキッチンに広がる。



「自慢だけど、俺のコーヒーはかなり旨いよ?」


「あはは。自慢ですか?」


「うん。コレだけは誰にも負けないかな?」


「あ。そろそろ7時ですね?田村さん起こさないと」


コーヒーの香りが立ち上るキッチンからリビングへ向かい、田村さんが眠っているソファーの床に膝立ちになって田村さんの肩を揺すって起こす。



「田村さん、朝ですよ。起きてください」


「ん〜…」


「田村さん」


「ん………里奈ちゃん?」



りなちゃんって……、里奈さんの事?



田村さんは覗き込む私の首に腕を回し、ギュッと抱きよせて。



「ひょっ?!」


「おはよーのチュー」



田村さんのドアップの口がタコさんに!



そこに坂口さんがやって来て、履いていたスリッパで田村さんの頭を。



スパーーーンッ!!!



「いでっ!!」


「起きろ!英明!」


「おまっ!いてーだろ?何すんだよ!」


「今お前が持ってる物は何だ?」


「ん?持ってる?」



私は田村さんの腕の中で。



「お…、おはようございます」






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