雪花狂乱〜不良少女は秘密をもつ〜




夜、遅く。



電話がかかってきた。




『ーーーーーー』

「…………」

『ーーーーーー』

「……ごめん、」

『ーーーーーー』

「……ごめ、」

『ーーーーーー』

「うんっ…うんっ……」

『ーーーーーー』

「…ありがとっ……」




……大丈夫。


ずっと一緒にいるわけではないから。




神楽 凪、彼の目があたしに向いているとわかってる間だけだから。



ほんの少しのわがままでいいから。





「メール……」




“お前が決めたんなら、お前が思う通りにしたらいい”





“ずっと味方だから”





「ううっ…」



もう、泣かないように、たくさん泣いておく。



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