たった一人の親友へ〜another story〜
泣き顔なんて見せたくなかった


だけど会いたかった


一人にはなりたくない


慣れた手つきで携帯のボタンを押す


唯一覚えている番号


何度目かのコールで彼女の声が電話越しに聞こえた




「もしもし?どーしたー?」




どうしてだろう


安心したんだ


俺の全てを受け止めてくれるその声に


やっぱり甘えてるんだよな、俺





「ゆいと別れちゃった」


「え?
うそ…
翔今どこ?」


「今?
近くの公園だけど…」


「分かった!
すぐ行くから!」


慌てて切れる電話音


不意に笑顔がこぼれた




君に何かあったら俺が支えるから


だから今日くらいは


君の肩を借りてもいいよね?


な?


さな
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