たった一人の親友へ〜another story〜
狭間
こんな時間に不釣合いな急いだ足音


「翔!」


そんなに急がなくてもいいのに、なんて思うほど


さなは息を切らしながら俺の方に来て


心配そうな瞳で俺を見た


「翔?大丈夫?」






どうしてそんな顔で俺を見るんだよ


俺は優柔不断だから


あんなことがあった後だから


余計お前に触れたくなる


抱きしめたくなる





「さな、俺もうだめかも。」


こんな弱音を吐いた理由なんて


ただ一つ


さなに慰めてもらいたかったから




「翔。元気だしてよ」


そういって


さなは俺を壊れ物のように


そっと


優しく抱きしめた
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