たった一人の親友へ〜another story〜
少し落ち着いたさなは


俺の肩にそっと寄りかかった


「ねぇ、翔?

あたしと約束してくれる?」


「ん?何?」


「この海ね、あたしにとってすごく大事な場所なの。

だからね…」


「うん。」


「来年も再来年も、一緒に来てほしいなーなんて…」


「何だよー
そんなことか。

そんなの全然いいよ。」


「本当に?

じゃぁもしお互い結婚して、おじいちゃんおばぁちゃんになっても一緒に来てくれる?」


「ははっ。

何それ?

良いよ!何かおもしろいし。

まぁおれらは一生親友やってくもんな!」


「………。

うんっ!

ありがとね。翔」


「どうしたの?今日

さなセンチメンタル?」


「違うよー

じゃぁ約束だからね!」


「はいはい」





素直に嬉しかった


俺達にはまだつながっていく道がある


また今日から新しいスタートを踏み出すんだ


“親友”という新しいスタート地点に







この時は信じてた


また二人でこの海に行く未来があるって


なんの疑いもなく信じていたんだ

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