たった一人の親友へ〜another story〜
約束通り一週間に一度は実家に顔を出し


一時は顔も見たくなかった義父とも


少しずつ会話が増えていった




そんな俺達を母は優しく見つめ


嬉しそうに笑う


母はあれ以来一カ月に一度ほどのカウンセリングだけで、身体は元通り元気そうだった


確実に以前より笑うようになった母は


前にもまして行動的になり


昔の明るい母そのものだった





俺はと言えば毎日死にものぐるいで勉強に励み


志望校合格の道を目指していた


まだ誰にも言ってないけど


俺は義父の会社を継ぐつもりでいた


それが二人の


最大の希望だって俺は知ってたから




世間的に認められている一流大学に合格して


やっと俺は義父に認めてもらえる


ずっとそう思ってた


でも今は違う


俺自身が


自分自身がこの大学に行きたい


そう心の底から思えたとき


俺はやっと


自分が少しだけ大人になった気がしたんだ


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