ひまわりハウス


「…お前…………」


海月は何か言いたそうにあたしを見るけど曖昧に笑みを返す事しか出来ない。


「海月!今日は庭でミニプール開きだからビニールプールに空気入れて〜!」


話を無理矢理終わらせてあたしはビニールプールを掲げる。


考ちゃんもプールに入れてあげなきゃ!


叶栄も今日は友達の家にお泊り中。


「へいへい」


海月は嫌々ながらも空気を入れてくれる。


―バシャーッ


ホースから水を出してビニールプールに注ぐ。


「ほら、考。着替えるぞ」


海月がヒョイヒョイと手招きすると考ちゃんは小走りで駆け寄る。


最初は人見知りしていた考ちゃんもすぐ海月に懐いたみたいだ。


お母さん離れしたみたいで少し寂しいな。


「考ちゃーん!!
水入ったよー!!」

「はいるーっ!!」


考ちゃんはタタタッとプールに近付いてゆっくりと中に足を入れる。


―ピチョン…


「ちめたい…」


冷たかったんだなぁ…
考ちゃんの顔が険しい。









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