ひまわりハウス


「ふあぁぁ〜…眠い…」


眠りが浅かったかなぁ…


鏡に映る自分の顔は酷くボロボロだ。17才の顔には見えない。


自毛である長い茶色の髪をまとめ、上に持ち上げる。
それからお気に入りのシュシュを付けた。


「今日は子供達と海にでも行こうかな」


家の近くには海がある。

7月になってから最近はバイトで忙しかったからなぁ…


休みの日は出来る限り子供達に沢山思い出を作ってあげたい。



そう思うのはあたしも両親がいないからだ。


小学校に入ったばかりのあたしの両親は、12月14日に飲酒運転のトラックにはねられこの世を去った。


今でも犯人は見つかっていない。両親と築いた時間は少ないものだったけれど、確かに愛があった。


首にかかるチェーンを引っ張る。


そこには二つのリングが繋がっていた。


これはママとパパの結婚指輪。焼け焦げた二人の遺体から唯一残ったモノ…


二人の形見………


あたしの中には憎しみがある。でもそれ以上にもっと二人に愛されたかったと思う自分がいたから…


愛を知らない子供達を私が愛してあげたい…そう思った。








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