あいつの青春
「……ろ…!
ヒロ?!おい、ヒロ!」
翔汰の叫んでる声で目が覚めた。
「んー?翔汰おはよー…
何?そんな慌てて…
何かあったの―…」
「あっ―…
はぁ―…よかった…
変な心配させんな…」
翔汰は気が抜けたように肩を落とし髪の毛をかきあげた。
「何が―…」
翔汰に声をかけようと
したときにやっと気がついた。
(俺…泣いてる…。)
「あれ?何で?
え、まじ何で俺泣いてんの?!」
自分の頬につたう雫を
指で拭いながら俺は焦っていた。
「翔汰―…」
ギュッ―…
「えっ」
気づけば翔汰は
俺の制服の袖を力強く掴んでいた