永劫の罪人 光の咎人
 少年の澄んだ高い声と、大地を揺るがすように低い、大きな男の声。周囲がにわかにざわついた。

 ビクターは目を凝らして追っ手を見る。
 そこには革の鎧を着た巨躯の男と、僧侶の衣を着た少年が馬を走らせていた。

(な、何だぁ? 僧侶のガキと、鎧を着たおっさんなんて、妙な組み合わせだな)

 思わずビクターは吹き出す。
 だが、ほかの男たちは殺気立ち、次々に追っ手を迎え撃とうとする。

 出遅れたビクターへ、賊の首領が声をかけてきた。

「お前、今のうちにあの槍の突き刺さっている場所へ、小瓶の中身をバラまくんだ!」

 首領が指さす先へ、ビクターは視線を送る。
 暗くてよく見えないが、かろうじて月光に照らされ、細長いものが数本地面に突き刺さっていることがわかる。

「あ、ああ、わかった」

 この小瓶の中身を、あの場所にかけろって……何をたくらんでいるんだ? 
 混沌を起こそうとする輩がやることだ、どうせロクでもないことだろうとは思う。

(んー……でも、どうするつもりなんだ?)

 先の不安や心配よりも、人の悪い好奇心が勝ち、ビクターは目的の地へ向かった。




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