永劫の罪人 光の咎人
「着いたぞ!」

 先頭から順に馬をとめていくと、賊の首領が一行に振り向き、怒号を発する。

「我らの宿願、ついに成就する時がきた!」

 返事代わりに、男たちの濁った咆哮が林に響いた。

(……うわー、まったく展開についていけねぇ)

 ビクターは隣の男を軽く肘で突き、注意をこちらに向けさせた。

「なあ。いまさら聞くのも気が引けるんだが、お前らの宿願って一体なに?」

「知らないのか? この集団の中心にいるのは、この国の王族の子孫。国に混乱を起こし、それに乗じて権力を取り戻すんだ」

 ビクターの目が点になる。

(……な、何だって?)

 この街は平和そのもの。
 圧力をかける王族が存在しないおかげで、人々の活気があふれている街。

 今まで多くの国に足を運んだが、ここまで恵まれている街はなかなかお目にかかれない。
 そんな貴重な街を壊そうだなんて、世の中わかってるのかと問い詰めたい。

(ようは、ないものねだりって訳かい)

 内心呆れるばかりだが、本音を言えば袋だたきにされる。
 ビクターが口を閉ざしていると、賊の首領がこちらを見据えた。

「おい、そこのお前。小瓶を渡せ」

 首領に呼ばれるのと、ほぼ同時だった。後方から声が飛んでくる。

「お、お願いです、小瓶を返してください!」

「全員そこを動くな!」
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