ガラスのタンポポ#虹
「花音、ごめんな」


「どうして翔くんが謝るの?奏来ちゃんの代理でいいって言ったのは、あたしの方なんだよ?だからね、あたし、少しでも奏来ちゃんに近づきたいの。所詮偽物だけど、それでも翔くんがあたしを見て、必要としてくれるんなら、それでいいの」


花音は紅茶に角砂糖を入れてスプーンでかき混ぜると、飲む事なく、オレを見て笑った。


いつでも笑ってみせるが、ヒビの入ったガラスのようにもろい笑顔が、イタイ。


オレがそうさせている。


オレが奏来を追う度、花音は傷つく。


花音はいつまで耐えられるだろう。


待っているのだろうか。


いつか、オレが奏来ではなく、花音を見つめられる日を。


オレは叶えてやれるだろうか。


儚い花のように、音を鳴らすように曇りなく笑えるその日を。


オレは花音にそんな日を贈る事ができるのだろうか。
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