ガラスのタンポポ#虹
「なぁ、花音」


「うん…」


「今日はもう帰ろう」


「…っ…っ…」


「で、明日一緒に歩こう」


「…っ…っ…。歩く、の…?」


「そう。学校終わってからさ、オレ、花音ん家行くよ。家の周りを少し散歩しよう。そこから始めてみよう」


「それって…?」


「オレ、やっと花音に追いつきたいと思えた。ここまで花音が来てくれたから。同じスタートじゃないかもしれない。それでも、いいか?」


「…っ…っ…!翔くん…翔くん…!あたしを見てくれるの?あたしと並んでくれるの?」


「あぁ。オレを動かしてくれたのは、花音だよ」


「…っ…っ…。あたし、無駄じゃなかった…。奏来ちゃんになったのも、リハビリしたのも無駄じゃなかったんだね?」


「花音の強さはオレを変えるかもしれない」


「うん…。ありがとう、翔くん」


「さ、帰ろう」
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