ガラスのタンポポ#虹
“ねぇ、翔ちゃん?”
「何だ?奏来」
“後で一緒に公園行ってくれる?”
「兄貴じゃなくて、オレと?」
“うん”
「OK。飯食ったら行こう」
いつもより豪華な食事を静かな家で食べ終えると、オレは奏来と、オトばあとよく3人で過ごしたタンポポの公園へ向かった。
奏来はワンピースが汚れるのも気にせず芝生を這い、何かを一生懸命探し出す。
「奏来、探しモン?」
“うん。タンポポ見つけたいの”
「…タンポポ?」
“おばあちゃんにお供えしたいの”
探そうにも秋風が肌を冷ますこの時期、綿毛のタンポポすら、もうない。
奏来だってわかってるはずだ。
オトばあもタンポポも、もうないって事。
「何だ?奏来」
“後で一緒に公園行ってくれる?”
「兄貴じゃなくて、オレと?」
“うん”
「OK。飯食ったら行こう」
いつもより豪華な食事を静かな家で食べ終えると、オレは奏来と、オトばあとよく3人で過ごしたタンポポの公園へ向かった。
奏来はワンピースが汚れるのも気にせず芝生を這い、何かを一生懸命探し出す。
「奏来、探しモン?」
“うん。タンポポ見つけたいの”
「…タンポポ?」
“おばあちゃんにお供えしたいの”
探そうにも秋風が肌を冷ますこの時期、綿毛のタンポポすら、もうない。
奏来だってわかってるはずだ。
オトばあもタンポポも、もうないって事。