微かな香り







ジリジリと近寄って来る高杉。



『…何?』



「知っとる?…ここ、中から鍵開けれんので。しかもテスト週間じゃし、金曜じゃし」




『あっ…』



「俺もおめぇも月曜日まで帰れんの」






そう、今日はテスト週間。

そして金曜日。


土日に先生達は来ない。


部活もない。


鍵は外からしか開けられない。



寝る前のあの音はやっぱり鍵を閉める音だったらしい。





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