氷雨
龍樹と呼ばれた赤髪がいう。

「いいよ、やれるなら。」

あたしと龍樹が立ち上がると、慌てて、ゆーちゃんが止める。

「ま待って。龍樹、1つだけ言っとくけど明夢には勝てないよ。僕も勝てない。」

「は?さっきは不意打ちだった…からっ!?」

遅すぎて笑える。
あたしは今、龍樹の目の前に立って拳を顔の前に突きだしている。
動きを固めて、あたしの手を見つめる龍樹。

「あんたが、あたしに勝てるはずないぢゃない。」

笑いながら椅子に戻ると、ゆーちゃんが龍樹を慰めていた。

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