手紙-20歳の私へ-
17歳の私
17歳の私。

将来の夢が決まって、
学校も楽しい。

不自由なんて一つもありません。

そんな私には少し、
“不安”がありました。

20歳の私はどんな
“不安”だったか覚えていますか?

将来の夢が決まった。

でも、進む方向性がわからない事です。

どのように進めばいいか
“不安”でした。

進みたい道は、
とてつもなく険しく厳しいのでした。

母親には
「現実を見なさい。」
と何度も言われ、その度
自分の部屋で声を押し殺
しながら泣き、苦しくて
辛くて悲しくて…。

あの時の気持ちを覚えてますか?

誰に相談したらいいのか
わからず抱え込んで。

一人で悩んでいましたよね。

周りの友達が

「私、先生になる。」

「保育士になりたい。」

「大学に行く。」

「介護福祉士になる。」

と言っている中、話し
にまざっても私だけは
嘘をついて

「まだ考えてないんだ。」

笑いながら答えてました。

心の中は嘘をついた
罪悪感でいっぱいです。

今にも泣きそうな声で
喉が熱くなりそうで、
答えてたの覚えてますか?

私は、
“将来の夢”を
言うのが恥ずかしかったからです。

友達の、周りの反応
が怖かったんです。

どんな顔をするのだろう?

「凄いね。」
と言われても母親みたいに

「現実見たら?」

と思われてたらどうしよう。

頭に嫌な事しか思い浮かばないのです。
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