恋歌 〜secret love〜
「はい。あたしで、良ければ……」



あたしは、先生をまっすぐ見つめ返した。


今まで以上に微笑む、先生が眩しい。



「何かさ、今の告白の返事みたいじゃなかった?」


「確かに。てかさ、この2人の空気がもうそんな感じじゃね?」


彩乃と勇人がそんなことを言うから、恥ずかしくて下を向く。



「奏が可哀想ですから、その辺でやめてあげてくれます? 2人も」


「おっ!そんな風にカバーしてあげるとこも、ますます彼氏っぽいじゃん!」


「勇人……。
お前、1度自分が引き受けた仕事を奏に頼んだ身で、よくそんなこと言えるよな」


「あ、あぁー……っとー」



もう薄暗くなった音楽室。

何度も見てきた2人のやりとりを、あたし達は笑いながら見ていた。
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