恋歌 〜secret love〜
「どこまでできるかなんてわからないけどね。できるだけ……できることは全部詰め込んでみたいんだ」
「たかが文化祭のステージだけど? 奏の夢と比べたら、小さすぎて踏み台にもならないんじゃない?」
彩乃は、あたしの言おうとしてること、絶対にわかって言ってる。
「そうかもね。でも、みんながあんなにも一生懸命にやってくれてるんだもん。
他の人にとっては小さくて、目にも入らないくらいのことかもしれないけど……あたしにとっては十分大きくて、価値のあることだよ」
いたずらな表情で微笑む彩乃に、あたしはそう返した。
「だから、あたしは全力で頑張る」
「そっか。勇人達も喜ぶわよ? あたしも応援してるから、頑張ってね!奏」
「もちろんっ!」
冷房がかかった教室は、ちょっとひんやりしてる。
でも、彩乃とあたしの間には、すごくあったかい空気が流れた気がした。