恋歌 〜secret love〜
敬語を使ってない2人の会話は、何かすごく自然だった。


そんな2人が、仲の良い兄弟みたいで微笑ましい。



「ほら、準備できたわよ!食べよっ!」



勇人にお皿と割り箸を渡しながら、彩乃があたしの目の前に座る。



「はい。これは先生と奏の分ね! 奏、先生に渡して?」



そう言って渡されたうちの片方を

小さい声で「どうぞ」と言いながら隣に座る先生に渡す。



ありえないくらいに緊張してて、まともに先生を見ることもできない。

上手く、声を出すこともできない。



そんな自己嫌悪に陥っていたら、「ありがとう」と、高くも低くもない声が聞こえた。



その声のあたたかさが嬉しくて、顔を少し先生に向けると

頼城先生は少し照れたように微笑んでくれた。



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