初恋の行方〜謎の転校生〜
夕べ寝不足だったせいか、いつの間にか眠っちまったらしい。


ふと目を開けると、隣に紗耶香さんがいた。


「起きたの?」


「あ……はい」


「ここ、日当たりが良くて暖かいわね?」


「そうですね」


「まだこうしてるの?」


「はい、もうしばらくは」



授業が始まるのか終わったのか、どっちか分からないがチャイムが聞こえた。


「紗耶香さんは教室に戻らないんですか?」


「隼人さんがいるなら、私もここにいます」


「どうしてですか?」


「あんな程度の低い授業なんか、一人で受けても意味ないから」


「そうですか……」


また空を見上げ、ボーッとしていたら、横で紗耶香さんが「ハアー」と溜め息をついた。


紗耶香さんに顔を向けたら、

「青蘭に戻りましょうよ?」

と彼女は言った。


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