初恋の行方〜謎の転校生〜
真っ赤な顔を手で覆い、裸同然の姿で横たわる川島美咲は健気で、湿布薬を貼った時に「ひゃっ」と出す声が可愛かった。


ムラムラと沸き上がろうとする淫らな心を封じるためにも、彼女の体に醜い痣を付けたあいつらに、俺は怒りを覚えた。

手加減なんか、しなければよかった。



そして、俺は悠人の事を川島美咲に話した。

悠人は生れつき心臓に問題を抱えていた事。悠人の治療費の援助と引き換えに、俺が親や悠人から離され、柏木の家に養子に出された事も。


川島美咲は俺の話を聞くと、目を潤ませていた。悠人を想ってだろう。


「悠人君は今、どこに……?」


そう彼女から聞かれ、中3の時、手術するために九州へ行った事を彼女に話した。


その後の事を、俺は敢えて言わなかった。川島美咲もそれを聞いて来なかった。

おそらく彼女も解ったのだろう。悠人がもう、この世にはいないという事を。


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