初恋の行方〜謎の転校生〜
後ろを振り向くと、本庄さんが立っていた。


「はい?」

「少しお話したいのだけど、よいかしら?」

「あ、今は急いでますので、明日では……」

「それは分かっています。お時間は取らせません」

「はあ、では……」


理恵は察してくれて、「じゃあね?」と言って帰って行った。


本庄さんが言った“それ”というのは、柏木君と待ち合わせている事だと思う。


私に話って何だろう。柏木君に関する事だとは思うけど……


「立ち話も何ですから、車の中で話しましょ?」


そう言われて前を見ると、黒塗りの車が停まっていた。

その脇に立つスーツ姿の男性は黒崎さんではないので、たぶん本庄さんちの車なのだろう。


その男性が後ろのドアを開け、本庄さんが中に乗り込み、私もそれに続いた。


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