初恋の行方〜謎の転校生〜
初恋の行方
車のドアが閉まると、途端に本庄さんから漂う甘い香水の匂いが、私の鼻を刺激した。


こんなに間近で本庄さんをちゃんと見るのは初めてだけど、髪は艶やかだし、肌は滑らかで、いかにも良く手入れされてる感じがした。


「わたくしと隼人さんの関係は聞いていますか?」


本庄さんはいきなりそう言い、私は「いいえ、聞いていません」と返事をした。


「やはりね。時間がないので単刀直入に言います。彼とわたくしは婚約してますの」


「こ、婚約……!?」


私は、頭を何かでガツンと殴られた気がした。


柏木君と本庄さんの関係は前からすごく気になっていた。

単なる幼なじみか友達。そう思いたいところだけど、美男美女だけに、もしかすると恋人同士かも、と思っていた。


でも、まさか婚約しているなんて、夢にも思わなかった。


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